本作は、東野圭吾の小説『容疑者Xの献身』を原作に、リュ・スンボム演じる天才数学者ソッコが殺人を犯してしまった愛する人のために完璧なアリバイを作り上げる感性ミステリー作品。
原作である東野圭吾の小説『容疑者Xの献身』では、数学者と物理学者のである二人の推理対決に焦点が当てられ、ミステリー要素が強く描かれていますが、本作「容疑者X」では、原作ではあまり描かれなかった、天才数学者の感情的な部分に焦点が当てられているので、原作とはまた異なる観点で楽しむことができそう。もちろん、原作以上のスリリングさも期待できる作品となっています。
本作を手掛けたパン・ウンジン監督は、女優としての経歴もあるため、演出の面でも出演俳優達に刺激を与えたようです。動物的感覚を持つ刑事・ミンボン役を演じたチョ・ジヌンは、「パン・ウンジン監督は痒いところ手が届く監督で、とてもよかったです。ただ、たまに届き過ぎますが・・」と報道陣の笑いを誘いつつ、現場のホットな様子を語ってくれました。
原作者である東野圭吾も、本作のシナリオと映画を観て、新しいキャラクターであるミンボン(日本版では物理学者だが、韓国版では刑事として登場)は新鮮で良い、とても期待ができる、と高く評価したそう。
演技派俳優として数多くの役柄を演じてきたリュ・スンボンは、本作で「愛する隣人のために完璧なアリバイを作る天才数学者ソッコ役」を演じました。撮影に向けて「最大限『リュ・スンボン』という人間としての殻を破ろうと努力しました」と語ったリュ・スンボン。日常生活でも自分が持つ考えや生活習慣を捨て、プライベートの時間さえも「容疑者X」の世界に入り込み「ソッコ」という人間と一体化しようとしたようです。人間の内面や深い感情面を表現した彼の演技は、スクリーンを圧倒すること間違いなし。今シーズンのユニクロの広告にも起用されているリュ・スンボン。飛躍が期待される旬の俳優です。
偶発的に前夫を殺してしまった女性・ファソンを演じたイ・ヨウォンは、「今まで演じたことのなかった役なうえに殺人者役だったので、演じるのにとても苦労しました。ただ、しっかり演じないとリアリティーが出ないので、本当に一生懸命『人を殺そう』と努力しました。」と現場での様子を伝えてくれました。
映画「容疑者X」は、10月18日に公開予定です。
<作品内容>
過去に天才数学者で知られていたが、現在は高校の数学教師として平凡な生活を送るソッコ(リュ・スンボム)。ある日、隣に引っ越してきたファソン(イ・ヨウォン)が偶発的に前夫を殺してしまったことを知る。人知れず見守り、いつの間にか愛するようになっていた彼女のため、完璧なアリバイ工作をし捜査の目を遠ざける。しかし、その事件の担当刑事ミンボン(チョ・ジヌン)は、動物的感覚でファソンが犯人だと確信し、彼女を執拗に追いかける。果たして天才数学者ソッコは、愛する彼女を守りきることができるのか。
公開:2012年10月18日
監督:パン・ウンジン(「オーロラ姫」)
出演:リュ・スンボム(ソッコ役)、イ・ヨウォン(ファソン役)、チョ・ジヌン(ミンボン役)他
<フォトギャラリー>
記事掲載日:2012年10月3日